白川情報館

白川流域 水防災・水環境フォトラリー (下流域:熊本市編)

   石 塘(いしども)
    (熊本市西区 P熊本駅近郊有料・トイレ公園内有)

 
 加藤清正公(かとうきよまさこう)は、熊本(くまもと)城下町(じょうかまち)(つく)(さい)に、白川(しらかわ)坪井川(つぼいがわ)井芹川(いせりがわ)合流(ごうりゅう)していたものをここで分流(ぶんりゅう)させ、石造(いしづく)りの背割堰(せわりせき)によってしめ()りました。これを『石塘(いしども)』と呼んでいます。日本(にほん)最初(さいしょ)分流工事(ぶんりゅうこうじ)とされています。
 2010(ねん)土木学会誌(どぼくがっかいし)によると、石塘(いしども)(なが)さは、延長(えんちょう)180(けん)(やく)325m)ある(いし)(つく)られた(つつみ)とあります。1881年の『郡村誌(ぐんそんし)』には、「白川堤(しらかわつつみ)」の記述(きじゅつ)に「白川(しらかわ)沿ヒ(そい)(むら)(きた)熊本(くまもと)区界(くかい)ヨリ(みなみ)蓮台寺村(れんだいじむら)(かい)(いた)(ながさ)十四丁(じゅうよんちょう)十四間(じゅうよんけん)」 とあり、つづいて「熊本区界(くまもとくかい)ヨリ四丁(よんちょう)三十八間(さんじゅうはちけん)石塘(いしども)(しょう)ス」とありますので500mくらいあったということになります。
 石塘(いしども)には暗渠(あんきょ)(トンネル)がほどこされ、白川(しらかわ)(みず)非常時(ひじょうじ)には坪井川(つぼいがわ)にも(なが)し、平均化(へいきんか)して洪水(こうずい)(ふせ)いだそうです。また通常(つうじょう)坪井川(つぼいがわ)水量(すいりょう)(まし)し、坪井川河口(つぼいがわかこう)から高橋(たかはし)、そしてお(しろ)(した)洗馬橋(せんばはし)まで()()んだ(ふね)()()できるようになったのだそうです。石塘(いしども)西側(にしがわ)森都心(しんとしん)ビルとの(あいだ)に、歴代(れきだい)樋門(ひもん)保存(ほぞん)されたり石塘(いしども)歴史(れきし)役割(やくわり)について(まな)公園(こうえん)整備(せいび)されています。
 この場所(ばしょ)は、白川(しらかわ)(おお)きく()がって(なが)れる外側(そとがわ)場所(ばしょ)にあたるので、石塘(いしども)(こわ)れないように、(すこ)上流(じょうりゅう)泰平橋下流(たいへいはしかりゅう))には、権左刎(ごんじゃばね)()われる(おお)きな石刎(いしばね)石造(いしづく)りの堤防(ていぼう)(つく)られており、濁流(だくりゅう)白川(しらかわ)中央(ちゅうおう)()(もど)仕組(しく)みが(つく)られていたそうです。
 現在(げんざい)は、過去(かこ)石刎(いしばね)()したものが4()設置(せっち)してあります。左岸(さがん)(ひろ)河川敷(かせんじき)は、市民(しみん)(いこ)いの()として、また消防(しょうぼう)出初式(でぞめしき)やくまもと(はる)植木市(うえきいち)水防災体験(みずぼうさいたいけん)(など)のイベントが(ひら)かれます。
 県北玉名(けんほくたまな)横島(よこしま)にも清正公(きよまさこう)(きず)いた『石塘(いしども)』があります。


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